「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」という本を読んでの感想です。
ただの指示や一方通行の会話にならず、コミュニケーションとして、相手の意見や心に秘めている感情などをどう引き出したら良いか、と思いこの本を手にしました。
詰問と尋問としつもん
詰問も尋問も起こった事に対して「なぜ」そうなったのか、結果に対しての原因を探るのは悪いことではないと思いますが、どうしても言い訳や自分にとって都合の良い答えを待ってしまいがちになるんですね。
私も、「原因」から「改善点」を見つける為に、よく『なぜ』を使っていました。
そこから改善出来る子ももちろんいますが、ほとんどが「怒られている」と思ってしまい次に繋がらない事が多かったです。
そんな時の『あの時どういう気持ち(考え)だったか』というしつもん。
失敗してしまった本人は、「やってしまった=怒られる」という意識があるせいか本当の事を言うのを躊躇ってしまいがち。
その心情の中に原因や改善策が隠れているというので、この「しつもん」は大変有効なのだと思いました。
子供の良いところ
人間、つい悪いところが目につくというのは、よく聞くと思います。
ニュースを見てても思いますが、どうしても良いことより悪いことの方が目立ってしまうんですよね。
私も、子供たちの良いところを見ようとは思っていますが、これがなかなか出来ない。まだまだですね。
良いところを見つけて褒める、というのが主流になっているのか、本でもネットでも褒めて伸ばせと言われています。
確かに褒められると、嬉しいと思う人がほとんどでしょうか。大人でも褒められると嬉しいと思います。
・良いところを見つけて褒める
・褒めてやる気を引き出す
・自ら進んで努力するようになる
・良いところが増えていく
・さらに褒められてもっとやる気が出る
といった感じでしょうか。
こうやって親や周囲が、子供の下地を築いていくことにより、自ら考え成長していく事が出来るのでしょう。
ただ、上記のような下地はある程度公衆にでる前の家庭でのコミュニケーションで培われるものだと思っています。自分で考え、進んで何かに取り組む事が出来ない子が多いと感じる昨今は、やはり家庭内でのコミュニケーション不足かと感じます。
やっているつもり、親だけの自己満足からこのような状態になってしまっていると思うので、そんな余裕なんて持てないと社会のせいにしたくもなりますが、子供が悪い訳ではないので、本当に子供の為を想うなら親が今一度、真っ先に見直すべき部分ではないかと思います。
「どうだった?」というしつもん
これは、私も良く使うしつもんというか言葉です。
ただ、これも簡単そうで難しいと感じるのです。
出てきた答えすべてが正解であるというのは共感です。
良くも悪くも自分の思ったこと感じたことを、そのまま口に出してもらおうという「しつもん」ですが、チームやクラスなどで挙手方式で聞くと、だいたい答える子はいつも同じになってしまうんですね。
普段発言しない子なんかを、たまに指名する感じでしつもんすると、小さい声でちょびっと答えてくれたりもしますが、何も言わない子もいます。
これは、大人の心の闘いになると思います。
誰も答えない、もしくは聞いた子が答えない場合、次に進むことができません。そんな時、
・なにかを言うまで待つ
・しばらく待っても言わない場合進めていいのか
・なにかを言えるようなヒントを出していく
・考えさせて次へ進む
など、様々なモヤモヤが生まれます。
そして、ずっと待っていれば早く練習に進みたい子たちのイライラが伝わってきます。正直、答えが出なくても構わないと思ってますが、「なにか言わなきゃ先に進めない」という「〜しなきゃいけない」という脅迫概念みたいなものは持って欲しくないので、そういった場合の進め方は試行錯誤中ですね。
今までの中でも、『自己肯定感の低い子』は、意見しない・意見してはいけない様子が見受けられていたので、そういった部分も含めやる気などを引き出せていけたらと思います。
「どうだった?」というしつもんも、初めのうちは的を絞ってすることで、子供たちも何を、どういった部分を答えたら良いか分かりやすくなるのかなと思いました。
結局は周囲の大人次第
子供は、産まれてからスポンジのごとく色々な事を、育った環境の中から吸収していきますよね。
一番影響しているのが、「親」であること。しかし、支配されそうで反発しもがいている子供も多く感じます。
そこは、教師であったり指導者など周囲の大人が、早く見つけてあげたいところですね。
ただ、この本を読んで一つだけモヤモヤが取れません。
それは、「全く0の状態」で誰の助けも得られない時。
あくまでも、誰かのちょっとした助けがあってはじめてやる気が引き出されるという事だと思っているのですが、というか、そういった0の状態でも何か見つけ出せる下地を作るものだとは思います。
様々な年代の子供たちを見てきて『創造力・自分で考える力』がほとんどないと感じている訳ですけれども、何も協力などが得られない状況って、子供の頃でも大人になってからでも訪れる事があると思うんですよ。
そんな時に自力で踏ん張れるか、または自分で使える物や人を見つけ出せるか、というのも大事になってくると思うので、「あえて、何も言わず手伝わず、でもいつでもアドバイス出来るよう見守る」というのも必要かな、と思いました。
その二つを掛け合わせながら、子供に向き合えたら最高だなと感じました。
まとめ
子供が、自ら進んで答えたくなるような「しつもん」だと思います。
そうすると、答える内容が「マイナス」から「プラス」、「ネガティブ」から「ポジティブ」に変わってくると感じました。
考えや視点が変わってくる事により、やる気もまたレベルアップするので、win-winの関係が築けそうです。
子供を変えるのではなく『大人が変われば子供が変わる』というのをヒシヒシと感じました。
学校やスポーツなんかでは、「個人」がレベルアップすれば「チーム(クラス)」がレベルアップしていくので、今、「子供たちが…」と悩んでいる人がいるならば、この本の「しつもん」は実践して損はないと思います。むしろ、した方が良いと思います。
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